まずは、プロジェクトの実施責任者である私、藤田がプロジェクトの概要について説明しました。
約200万年前以降に沖縄トラフと呼ばれる凹地が形成されて大陸から隔てられた琉球弧は、地球科学的に非常にユニークな場所として注目されています。本プロジェクトでは、島嶼・海洋・地球環境科学にとってユニークな“Natural Laboratory”である琉球弧の地球環境科学の未知の領域に対して、地球資源の成因、島嶼海洋環境の時空間変遷、島嶼と海洋環境と人間活動とのリンケージなどの統合的な研究テーマについて、その解明に迫ります。そして、得られた研究成果を学内外へ情報発信し、ジオパーク候補地の選定・気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の次期報告・琉球弧の世界自然遺産登録への基礎データや、地球資源・農業資源の保全・活用に貢献することを目指します。プロジェクトのメンバーは、理学部から新城教授、浅海准教授、土岐准教授、本郷博士研究員、教育学部からは馬場教授、尾方准教授、農学部からは金城准教授、安元助教の計9名です。
次に、各メンバーの研究紹介をしました。
まずは私が「微化石からみた琉球サンゴ海の古環境変動」について紹介しました。有孔虫化石を用いた古環境解析方法と、今後共同研究で進めていきたい琉球石灰岩の時空間的変遷について研究提案をしました。
2人目に理学部の浅海さんが「サンゴと鍾乳石から琉球の長期環境変動を読む」というタイトルで、浅海さんが琉球大に赴任してから進めてきたサンゴ骨格と鍾乳石の高分解能同位体解析から明らかになった琉球弧の古気候・古海洋変動について最新の研究成果を紹介してくれました。
3人目に、教育学部の尾方さんが「カルスト研究における「気候制約説」の再検討」について発表しました。琉球弧を含む熱帯~亜熱帯域の石灰岩のカルスト地形形成には化学的風化作用だけでなく物理的風化作用も重要であるという仮説に基づき、東南アジアを含む最新の調査研究成果を紹介してくれました。
4人目に、農学部の安元さんが「リン酸塩はサンゴ礁にとって脅威か?」について、沖縄本島南部で調査している石灰岩地帯の地下水流動とサンゴ礁への栄養塩供給とその影響について紹介してくれました。
5人目に、理学部の本郷さんが「琉球列島におけるサンゴ礁と土砂流出影響のリンケージ」というタイトルで、人間活動にともなう土砂(赤土)流出とサンゴ礁への影響について、過去・現在・未来の視点からの研究成果と共同研究提案がありました。
8人目に教育学部の馬場さんから「島嶼基盤岩に含まれる砕屑性ジルコンのU-Pb年代と起源」について紹介がありました。沖縄本島北部の嘉陽層や名護層の分布や形成場について微量元素組成に基づいて明らかにした研究成果を紹介してくれました。
最後の9人目に理学部の土岐さんが「琉球弧周辺における深部流体起源物質の分布」というタイトルで、さまざまな同位体を用いた地下流体物の起源と反応過程について、沖縄トラフだけでなく、琉球弧の様々な場所での研究例を紹介してくれました。
メンバーの研究紹介の後にディスカッションの時間を設け、今後の学内共同研究について話し合いました。先端分析機器や同位体測定技術を駆使して、琉球島嶼の石灰岩地域の物質循環について共同研究ができそうな可能性を感じました。
メンバーの中には、お互い名前(と顔)だけ知っていたけれども、どんな研究をしているのか分かっていなかった方や、これまで一緒にやりたいと思っていたけれども機会がなかった方などが集まっています。正直言いますと、同じ学内にいて、同じ地球環境科学関連の研究をしていたにもかかわらず、お互いの研究内容を十分に把握していたとは言えません。今回のプロジェクトではそのような学内教員の連携を図る良い機会にしていきたいと考えています。今後も今回のような対話を継続し、「琉球弧の島嶼地球環境科学」に関する学内共同研究を進めていきたいと考えています。
今回のワークショップは残念ながら我々メンバー以外の参加者が少なかったのですが、ぜひメンバー以外にも興味・関心のある学内教員・大学院生・学生にも参加してもらいたいと考えています。興味のある方はお気軽に我々に声をかけて下さい。
5人目に、理学部の本郷さんが「琉球列島におけるサンゴ礁と土砂流出影響のリンケージ」というタイトルで、人間活動にともなう土砂(赤土)流出とサンゴ礁への影響について、過去・現在・未来の視点からの研究成果と共同研究提案がありました。
休憩を挟んで、6人目に農学部の金城さんから「マングローブ林内の炭素の循環・役割」というタイトルで、マングローブ土壌由来の溶存有機物が沿岸環境のプランクトンの増殖に関係している可能性について興味深い研究成果を紹介してくれました。
7人目に理学部の新城さんが「ホウ素同位体の地球化学と分析手法の開発」というタイトルで、理学部に導入された最先端質量分析装置を用いて、これまで分析が難しかったホウ素同位体の分析手法と研究意義について紹介してくれました。
8人目に教育学部の馬場さんから「島嶼基盤岩に含まれる砕屑性ジルコンのU-Pb年代と起源」について紹介がありました。沖縄本島北部の嘉陽層や名護層の分布や形成場について微量元素組成に基づいて明らかにした研究成果を紹介してくれました。
最後の9人目に理学部の土岐さんが「琉球弧周辺における深部流体起源物質の分布」というタイトルで、さまざまな同位体を用いた地下流体物の起源と反応過程について、沖縄トラフだけでなく、琉球弧の様々な場所での研究例を紹介してくれました。
メンバーの研究紹介の後にディスカッションの時間を設け、今後の学内共同研究について話し合いました。先端分析機器や同位体測定技術を駆使して、琉球島嶼の石灰岩地域の物質循環について共同研究ができそうな可能性を感じました。
メンバーの中には、お互い名前(と顔)だけ知っていたけれども、どんな研究をしているのか分かっていなかった方や、これまで一緒にやりたいと思っていたけれども機会がなかった方などが集まっています。正直言いますと、同じ学内にいて、同じ地球環境科学関連の研究をしていたにもかかわらず、お互いの研究内容を十分に把握していたとは言えません。今回のプロジェクトではそのような学内教員の連携を図る良い機会にしていきたいと考えています。今後も今回のような対話を継続し、「琉球弧の島嶼地球環境科学」に関する学内共同研究を進めていきたいと考えています。
今回のワークショップは残念ながら我々メンバー以外の参加者が少なかったのですが、ぜひメンバー以外にも興味・関心のある学内教員・大学院生・学生にも参加してもらいたいと考えています。興味のある方はお気軽に我々に声をかけて下さい。