皆さま、こんにちは。
プロジェクト事務補佐員の久志です。
3月19日(土)に琉球大学50周年記念会館にて、招聘セミナーを行いました。
当日はプロジェクトメンバーの他、数名の聴講者にご参加いただけました。
お忙しい中お越しいただきありがとうございました。
この日は、総合地球環境学研究所の谷口真人教授と中野孝教教授にご講演いただき、最後に参加者とディスカッションを行いました。
最初に、谷口真人教授が「フューチャー・アース:持続可能な社会のための地球環境学-水・エネルギー・食糧ネクサス-」というテーマで講演されました。
フューチャー・アースとは、地球規模の諸問題に関する様々な国際共同研究を統合し、地球の変動を包括的に理解するとともに、これらの研究成果を問題解決に活用し、社会変容に結びつけるための研究を行う国際的イニシアティブだそうです。
大きな目標に「地球環境問題の統合的解決」と「持続可能な地球社会の構築」という二つがあり、研究者と研究者以外の方が一緒に問題設定をし、研究課題を作り、研究の成果を最終的に誰が使うのか、ということを意識して研究を進めようとしているそうです。
また、「水・エネルギー・食糧ネクサス(連環)」について、水・食糧・エネルギーがどう繋がっているかを、専門分野の地下水の点からいくつかの例を挙げて説明されました。
次に、中野孝教教授が「琉球弧の水質マップつくり:異分野融合による地球環境研究に向けて」というテーマで講演されました。
地域の地質(土や石などの物質)に含まれる元素と安定同位体が地下水や河川水に現れ、その水を摂取した生物や植物に反映されることで、一種のトレーサビリティーが見られるそうです。水の情報がわかれば生物の情報もわかるので、地域の水をモニタリング後、結果を地図化し水質マップを作成することで、水循環の結果生ずる水質の多様性を可視化できるとのことです。
また、愛媛県西条市で地域住民に協力してもらい湧水をモニタリングした結果を紹介されました。
最後のディスカッションでは、「プロジェクトの対象を“島嶼”とするならば、最初の段階で島の特徴とは違うということを整理しておいたほうが良い。」「世界的に地下ダムの研究はそんなにないので、現在の状況と過去を比較すると面白い。」「社会貢献の点でいえば、研究成果を使うユーザーがどういう成果を求めているのかを考えてスタートしなければならない。」等のご意見をいただくことができました。
今回のセミナーでは異分野融合を進めるうえで大変有意義な意見交換が出来ました。
3月28日には公開ワークショップがあります。
お時間のある方はぜひお越しください。