今年度の中期計画達成プロジェクトのメンバーで、沖縄本島南部で巡検を行いました。
巡検を行ったのは、9月7 日に行いました(巡検後、1ヶ月程経過して申し訳ございません)。
それについて、報告したいと思います。
朝、9時に大学を出発して向かった先は、安座真港でした。
安座真港から陸側の崖を観察しました。
下部には島尻層群泥岩、上部には知念層が観察できました。
次に、港から海沿いにバスで「テダ御川」に向かい、
下部には島尻層群泥岩、上部には知念層が観察できました。
次に向かったのは、斎場御嶽(の入り口近く)。
この場所でも、島尻層群泥岩と知念層が観察できました。
小高い丘になっており、とても観察しやすい場所です。
泥岩と知念層の境が明瞭でした。
次に向かったのは、垣花樋川です。
ここは個人的に、とても印象的な場所でした。
この場所は、湧き水が出ており、その場所が小さな滝のように水が流れていました。
その流れに沿って、岩にコケが生えていて、その岩石は溶け出してきた石灰岩が不思議な形状で固結した様子が観察できます。
それはトゥーファー(Tufa)と呼ばれるそうです。
次にむかったのは、奥武島です。
そこで、まず目に入ったのが、甌穴(ホットポール)です。
こんなに入り組んだ状態で甌穴が存在するのに驚きました。
甌穴ができる要因が川と礫の存在だと考えられますが、現在の状態から川の存在が全く想像ができません。
奥武島の対岸に向かい、石灰岩を観察しました。
この場所は、理学部の藤田先生が研究サイトとして使用している場所です。
石灰岩の隙間に茶褐色の物がありますが、先生曰く「古土壌」ではないかと。
この色は土壌の鉄が酸化した色ではないかと思われます。
またこの部分に何故、土壌が入り込んだのか?陸化したのか?流出された土壌が再堆積?
今後の先生の研究の成果に注目です。
お昼を挟んで、具志頭海岸に向かいました。
海岸線にいくつかのノッチが観察できます。
ノッチを見てると長年の波の影響がとてつもなく激しいことがわかります。
また、この場所では海岸線に隆起によってできたノッチがあるそうで、そのノッチから3回隆起してできたのではないかと考えられているそうです。
最後に向かったのは、米須海岸と米須ダムです。
米須ダムから越流した水を放水している場所を見学に行きました。
理学部の新城先生は、ひょいひょいと奥まで行きます。
負けじとついて行きますと、
これまた素晴らしい光景です。
ここでもトゥーファー(Tufa)らしきものが観察できます。
米須ダムは地下ダムとしてとても有名です。
ちょうど止水する所を見学できます。
地下ダムは文字通り地下に貯水するダムを指します。
不透層である泥岩の上部に多孔質な石灰岩で貯水するという、なんとも画期的アイデアです。
農学部の安元先生がその付近で湧水や地下ダムの水について研究をされています。
沖縄の地質について、とても勉強になった南部巡検でした。
土壌を研究していて、常に地質のことが気になっていましたので、今回はとても有意義な時間を過ごすことができました。
またこのような巡検を藤田先生と企画していきたいと思います。
今年度は無理でも来年度とか企画したいです。
金城先生、投稿ありがとうございました。
返信削除少し天気が悪かったですが、なかなか充実した内容でしたね。