2015年10月29日木曜日

プロジェクト 公開セミナーのご案内

来週プロジェクトメンバーによる公開セミナーを開催します。

ご興味のある方どなたでもお気軽にご来聴下さい。

日時:11月5日(木) 16:20~18:00

場所:亜熱帯島嶼科学拠点研究棟3階セミナ-室(北食堂の隣の建物)


2015年10月7日水曜日

南部巡検

農学部 金城和俊です。
今年度の中期計画達成プロジェクトのメンバーで、沖縄本島南部で巡検を行いました。
巡検を行ったのは、9月7 日に行いました(巡検後、1ヶ月程経過して申し訳ございません)。
それについて、報告したいと思います。




朝、9時に大学を出発して向かった先は、安座真港でした。

安座真港から陸側の崖を観察しました。
下部には島尻層群泥岩、上部には知念層が観察できました。

次に、港から海沿いにバスで「テダ御川」に向かい、
下部には島尻層群泥岩、上部には知念層が観察できました。

次に向かったのは、斎場御嶽(の入り口近く)。
この場所でも、島尻層群泥岩と知念層が観察できました。
小高い丘になっており、とても観察しやすい場所です。
泥岩と知念層の境が明瞭でした。

次に向かったのは、垣花樋川です。
ここは個人的に、とても印象的な場所でした。


この場所は、湧き水が出ており、その場所が小さな滝のように水が流れていました。
その流れに沿って、岩にコケが生えていて、その岩石は溶け出してきた石灰岩が不思議な形状で固結した様子が観察できます。
それはトゥーファー(Tufa)と呼ばれるそうです。

次にむかったのは、奥武島です。
そこで、まず目に入ったのが、甌穴(ホットポール)です。

こんなに入り組んだ状態で甌穴が存在するのに驚きました。
甌穴ができる要因が川と礫の存在だと考えられますが、現在の状態から川の存在が全く想像ができません。

奥武島の対岸に向かい、石灰岩を観察しました。
この場所は、理学部の藤田先生が研究サイトとして使用している場所です。
石灰岩の隙間に茶褐色の物がありますが、先生曰く「古土壌」ではないかと。
この色は土壌の鉄が酸化した色ではないかと思われます。
またこの部分に何故、土壌が入り込んだのか?陸化したのか?流出された土壌が再堆積?
今後の先生の研究の成果に注目です。


お昼を挟んで、具志頭海岸に向かいました。


海岸線にいくつかのノッチが観察できます。
ノッチを見てると長年の波の影響がとてつもなく激しいことがわかります。
また、この場所では海岸線に隆起によってできたノッチがあるそうで、そのノッチから3回隆起してできたのではないかと考えられているそうです。

最後に向かったのは、米須海岸と米須ダムです。
米須ダムから越流した水を放水している場所を見学に行きました。
理学部の新城先生は、ひょいひょいと奥まで行きます。
負けじとついて行きますと、
これまた素晴らしい光景です。
ここでもトゥーファー(Tufa)らしきものが観察できます。


米須ダムは地下ダムとしてとても有名です。
ちょうど止水する所を見学できます。
地下ダムは文字通り地下に貯水するダムを指します。
不透層である泥岩の上部に多孔質な石灰岩で貯水するという、なんとも画期的アイデアです。
農学部の安元先生がその付近で湧水や地下ダムの水について研究をされています。

沖縄の地質について、とても勉強になった南部巡検でした。
土壌を研究していて、常に地質のことが気になっていましたので、今回はとても有意義な時間を過ごすことができました。

またこのような巡検を藤田先生と企画していきたいと思います。
今年度は無理でも来年度とか企画したいです。




2015年8月14日金曜日

キックオフワークショップ報告

理学部の藤田です。今年度の中期計画達成プロジェクト経費に採択されました「異分野融合による琉球弧の島嶼地球環境科学」の公開キックオフワークショップを8月4日(火)に開催しましたので、その報告をしたいと思います。


まずは、プロジェクトの実施責任者である私、藤田がプロジェクトの概要について説明しました。

約200万年前以降に沖縄トラフと呼ばれる凹地が形成されて大陸から隔てられた琉球弧は、地球科学的に非常にユニークな場所として注目されています。本プロジェクトでは、島嶼・海洋・地球環境科学にとってユニークな“Natural Laboratory”である琉球弧の地球環境科学の未知の領域に対して、地球資源の成因、島嶼海洋環境の時空間変遷、島嶼と海洋環境と人間活動とのリンケージなどの統合的な研究テーマについて、その解明に迫ります。そして、得られた研究成果を学内外へ情報発信し、ジオパーク候補地の選定・気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の次期報告・琉球弧の世界自然遺産登録への基礎データや、地球資源・農業資源の保全・活用に貢献することを目指します。プロジェクトのメンバーは、理学部から新城教授、浅海准教授、土岐准教授、本郷博士研究員、教育学部からは馬場教授、尾方准教授、農学部からは金城准教授、安元助教の計9名です。

次に、各メンバーの研究紹介をしました。


まずは私が「微化石からみた琉球サンゴ海の古環境変動」について紹介しました。有孔虫化石を用いた古環境解析方法と、今後共同研究で進めていきたい琉球石灰岩の時空間的変遷について研究提案をしました。



2人目に理学部の浅海さんが「サンゴと鍾乳石から琉球の長期環境変動を読む」というタイトルで、浅海さんが琉球大に赴任してから進めてきたサンゴ骨格と鍾乳石の高分解能同位体解析から明らかになった琉球弧の古気候・古海洋変動について最新の研究成果を紹介してくれました。


3人目に、教育学部の尾方さんが「カルスト研究における「気候制約説」の再検討」について発表しました。琉球弧を含む熱帯~亜熱帯域の石灰岩のカルスト地形形成には化学的風化作用だけでなく物理的風化作用も重要であるという仮説に基づき、東南アジアを含む最新の調査研究成果を紹介してくれました。


4人目に、農学部の安元さんが「リン酸塩はサンゴ礁にとって脅威か?」について、沖縄本島南部で調査している石灰岩地帯の地下水流動とサンゴ礁への栄養塩供給とその影響について紹介してくれました。


5人目に、理学部の本郷さんが「琉球列島におけるサンゴ礁と土砂流出影響のリンケージ」というタイトルで、人間活動にともなう土砂(赤土)流出とサンゴ礁への影響について、過去・現在・未来の視点からの研究成果と共同研究提案がありました。


休憩を挟んで、6人目に農学部の金城さんから「マングローブ林内の炭素の循環・役割」というタイトルで、マングローブ土壌由来の溶存有機物が沿岸環境のプランクトンの増殖に関係している可能性について興味深い研究成果を紹介してくれました。


7人目に理学部の新城さんが「ホウ素同位体の地球化学と分析手法の開発」というタイトルで、理学部に導入された最先端質量分析装置を用いて、これまで分析が難しかったホウ素同位体の分析手法と研究意義について紹介してくれました。


8人目に教育学部の馬場さんから「島嶼基盤岩に含まれる砕屑性ジルコンのU-Pb年代と起源」について紹介がありました。沖縄本島北部の嘉陽層や名護層の分布や形成場について微量元素組成に基づいて明らかにした研究成果を紹介してくれました。


最後の9人目に理学部の土岐さんが「琉球弧周辺における深部流体起源物質の分布」というタイトルで、さまざまな同位体を用いた地下流体物の起源と反応過程について、沖縄トラフだけでなく、琉球弧の様々な場所での研究例を紹介してくれました。


メンバーの研究紹介の後にディスカッションの時間を設け、今後の学内共同研究について話し合いました。先端分析機器や同位体測定技術を駆使して、琉球島嶼の石灰岩地域の物質循環について共同研究ができそうな可能性を感じました。

メンバーの中には、お互い名前(と顔)だけ知っていたけれども、どんな研究をしているのか分かっていなかった方や、これまで一緒にやりたいと思っていたけれども機会がなかった方などが集まっています。正直言いますと、同じ学内にいて、同じ地球環境科学関連の研究をしていたにもかかわらず、お互いの研究内容を十分に把握していたとは言えません。今回のプロジェクトではそのような学内教員の連携を図る良い機会にしていきたいと考えています。今後も今回のような対話を継続し、「琉球弧の島嶼地球環境科学」に関する学内共同研究を進めていきたいと考えています。

今回のワークショップは残念ながら我々メンバー以外の参加者が少なかったのですが、ぜひメンバー以外にも興味・関心のある学内教員・大学院生・学生にも参加してもらいたいと考えています。興味のある方はお気軽に我々に声をかけて下さい。


2015年8月12日水曜日