皆さま、こんにちは。
プロジェクト事務補佐員の久志です。
1月7日(木)に行われた公開セミナーのご報告、その2です。
今日は理学部物質地球科学科の浅海竜司先生の発表を紹介いたします。
「サンゴの化石による古環境復元」というテーマで発表をされました。
サンゴは熱帯・亜熱帯の海の情報を保存しており、過去の海の環境を復元する試料として重要です。塊状のハマサンゴは数百年生き、1年に1cmの年輪構造が形成され、骨には微量な放射性炭素(14C)やウラン/トリウム(U/Th)が入っており、それらの年代決定で正確な生息年代が決定できます。また、骨格の中には様々な化学成分が入っており、それを調べることでいろいろな環境要素の時間変化がわかります。
沖縄本島南西部の那覇若狭地区から得られたハマサンゴ群体化石の解析によると、それは完新世(約1万年前~現在)中期の約53年間成長したサンゴの化石であることがわかった.δ18O(酸素同位体)とδ13C(炭素同位体)の季節分解能の時系列データ(2カ月平均)を抽出したところ、δ18O、δ13Cともに明瞭な季節変化を示し、準2年変動、数年スケール変動、十数年スケール変動が完新世中期に沖縄の海の水温変化に存在していたことが分かった、といった内容でした。
次回は理学部本郷研究員の発表を紹介いたします。
0 件のコメント:
コメントを投稿