2016年1月12日火曜日

1月7日公開セミナーのご報告(1)


皆さま、こんにちは。
プロジェクト事務補佐員の久志です。
今日は先週行われた公開セミナーのご報告です。
 
17()に公開セミナーが行われました。
当日は15名近くの聴講者にご参加いただけました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。 

さて、今日は理学部物質地球科学科の新城竜一先生の発表を紹介いたします。
 
「レーザー分析ありんくりん」というテーマで発表をされました。 

  2つの分析についての発表でした.
  最初に「ジルコンのU-Pb年代測定」について。 
  ジルコンが結晶化する時には鉛(Pb)はほとんど含まれず,ウラン(U)は多く含まれるそうです。そこで,現在測定される2つの鉛同位体(206Pb207Pb)はウラン(238U235U)がそれぞれ放射壊変してできたものなので,2つのPb同位体の存在量から年代測定ができるそうです。またジルコンは風化・変質に強く,できた時の年代がリセットされにくいため,中心部から周縁部にかけて,数十億年~数百万年前までの幅広い年代を保持していることもあるそうです。
分離したジルコン粒子に,数十μmに絞ったレーザー光を照射し生成されたエアロゾルをICP-MSに導入して元素の濃度や同位体比を分析するとのことでした。 

次に「メルト・インクルージョン」をレーザーICP-MSで分析した論文の紹介をされました。ハワイ島マウナ・ロアの軽石丘に含まれるかんらん石斑晶(1mm)の中のメルト・インクルージョン(直径約0.2mm)は、かんらん石斑晶が結晶化するとき周りにあったマグマを取り込んだマグマの液が固まったものであり、マグマが出来てすぐの情報が記録されているそうです。
 このメルト・インクルージョンの微量元素濃度やSr,Pb同位体比をレーザーICP-MSで分析した結果、25.5億年前に表層で海水を含む変質を受けた海洋地殻が地球の深部(2,900)まで運ばれ,マントル・プルームの成分として再び表層へ上がってきたことが分かったとのことでした。

 
次回は理学部浅海先生の発表を紹介いたします。

 

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