皆さま、こんにちは。
プロジェクト事務補佐員の久志です。
12月10日(木)に行われた公開セミナーのご報告、その3です。
今日は教育学部地質学の馬場壮太郎先生の発表を紹介いたします。
「Laser-ICP-MSを用いた変性鉱物のREE分析」というテーマで発表をされました。
調査対象の南極に分布する露岩は約5〜6億年前の造山運動を受けた岩石で、その際形成された山脈の深部が見えているものであるそうです。
昭和基地から離れた僻地3ヶ所で採取した岩石の温度圧力経路(ある岩石が経験した温度・圧力の変化)を算出し、ジルコンの年代測定をやると、沿岸と内陸側では違う値を示すことから、それぞれの場所の変成作用・変形作用の時代が全く違うということがわかりました。
また、片麻岩の部分溶融(溶解)(ある温度以上になると岩石が溶ける現象)がどのような温度条件で形成されたかを3つの方法で検討した結果、900~1,000℃の条件が得られ部分溶融が進行したことを確認した。この際に形成したメルト(マグマ)と既存の鉱物が反応することにより様々な変成組織が確認され,コロナ状のザクロ石の希土類元素分析を行うとHREEに枯渇したパターンを示し,班状変晶のそれとは異なっていたことが報告されました。
これらのことから変成組織の相違に対応して異なるレアアースパターンが出現するということがわかり、沖縄の砂岩に含まれる砕屑性ザクロ石にそれを応用すると、砕屑物の由来や、供給源の予測が可能になるかもしれない、といった内容でした。
次回の公開セミナーは来年1月7日(木)にあります。
お時間のある方はぜひお越しください。
0 件のコメント:
コメントを投稿